Carpe diem ~自転車と共に~

元理系大学院生のブログ。人生を自転車に捧げた人。ときどきサイクリング。

シンガポールの交通機関と移動手段~車は全部高級車?~

この週末、シンガポールは夕方以降あいにくの雨となり、ホリデーを楽しむ人達にとっては少々残念な天気でした。僕は土曜の外出以外は部屋でおとなしくしていました。もうすぐ学内の違う寮へ引越しなので、そのための荷造りを少々。あとは軽い運動のため、NUS周回コースを自転車で3周だけ回りました。雨が降ると何もすることがなくなってしまうので、時間を無駄にしないよう生産的な何かをしようと思います。

 

備忘録も兼ねてシンガポールの基本情報みたいなのをまとめましょう。早いもので、シンガポール生活2ヶ月が経ちます。自転車以外の行動範囲はそこまで広くないものの、これまで生活してきたことからわかったことなどを記したいと思います。まずはシンガポールの交通機関と移動手段について。基本情報というよりは、僕の個人的な感想を書きます。細かな情報が知りたい方は「地球の歩き方シンガポール版」を参照していただくか、Google先生にお尋ねください。

 

 

シンガポールの交通機関は非常に発達しています。岐阜よりずっと便利です。日本の大都市の交通網と遜色ないレベルだと思います。主要交通機関であるMRT、バス、タクシーを使いこなすことで観光はともかく、シンガポールで生活するのには全く困りません。タクシーは空港から寮に来るときに一回使っただけなので、実質MRTとバスで間に合っています。また、それぞれの運賃は非常に低額なので気軽に利用することができます。

 

運賃の支払いに関してですが、ICカードを利用した方が現金(切符)で払うより割安になります。ICカードEZ-Link(イージーリンク)と呼ばれていて駅構内やセブンイレブンで買うことができ、事前にチャージして使用します。日本でいうSuicaみたいなもんですね。このカードでMRTとバスをスムーズに利用できます。旅行者向けにはMRTで利用できるスタンダードチケットというものがあるようですが、使ったことがないのでわかりません...。

僕は空港でSIMカードを買った時になぜかついてきた、NETS Flash PayというICカードを使っています。こちらもチャージして使用します。詳しくは調べていませんが、EZ-Linkと同様の使い方ができているので似たようなシステムのものと思われます。

 

・MRT

普段の買い物や、友人との外出などはMRTでほとんど事足りてしまいます。こちらが路線図です。赤、黄、青、緑、紫の5路線が運航しています。点線は現在工事中です。まだまだ拡張中なんですね。灰色はLRTというモノレール的な乗り物の路線です。

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全ての駅にホームドアが設置されています。落下防止用かと思っていましたが、友人曰く、もともとは空調効果を高めるためのものだとか。たしかにホームまで涼しい(寒い)です。車両内は立ち位置、座る位置によって冷房直下になることがあります。上着は必須です。なんども凍えました。堪りません。車両のシートは樹脂製でお尻にやさしくありません。スポーツスタジアムにあるようなプラスチックの座席みたいです。また、運転は基本的に自動制御らしく、運転手は補助的な存在(もしくはいない)です。したがって発車と停車が甘く、「がくっ」っとなります。不意打ちを食らうとちょっと吹っ飛びます。それでも数分に一本のペースでやってくるので、移動手段としての不満は全くありません。シンガポール人の友人は、MRTはよく止まると言っていたのが気になりますが...。

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あと、MRT構内は飲食禁止です。その代わりに非常にきれいなので、我慢しましょう。ドリアンの持ち込みも禁止です。

https://www.instagram.com/p/BNCklPNDKM2/

No durians #Singapore #MRT #nofine #nodurians #ドリアン罰金なし #でも持込禁止

 

・バス

僕の場合は、目的地の最寄り駅までMRTで行って、そこからバスに乗り換える、という使い方をしています。シンガポールのバスは番号が割り振られていて、その番号でどこへ向かうバスか見分けます。写真はNo.95ですね。Google mapでどれに乗ればいいか調べることができますが、バス停にもちゃんと情報があります。何番のバスが発着して、それぞれがどのバス停に泊まるかが貼り出されています。問題はバスに乗った後、次に止まるバス停の案内が無いことです。「次は岐阜大学前~」とか言ってくれません。引き続きGoogle mapで現在位置を把握し続けるか、手っ取り早く運転手に聞くか、類まれな動体視力で止まろうとしているバス停の名前を読み取るか...。

最近気づいたのですが、乗車と降車の際にICカードをかざす端末に、小さくバス停の名前が表示されていました。それ以来、どこで降りるべきか不安な時は端末の近くにいるようにしています。

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二階建てバスも走っています。僕の知る限り岐阜では走っていないので、初めて見た時はちょっと興奮しました。

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二階からの景色はこちら。ドキドキしながら二階に上がりましたが、窓ガラスが汚くて少し萎えました。それでも、「見下ろす」というものは気持ちがいいものです。

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ほら、人混みを見下ろすとちょっとした優越感に浸れるでしょう?

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やっぱりバス車内も寒いです。凍えます。写真は朝のバス車内です。温度差で結露しています。いくら湿度が高いとはいえやりすぎです。寒すぎて怒りを覚えるレベルです。シンガポールで寒くてイライラするとは皮肉なものです。

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運転に関してですが、ときどき雑になります。やはり発車と停車は優しくありません。手すりにつかまっていないと吹っ飛びます。路線バスはまだいい方ですが、NUSシャトルバスの急発進でおばあちゃんが顔面から床にダイブしていたのは本当に痛そうでした。周りの乗客がガードしてあげていたので大丈夫そうでしたが。ということでバスに乗る際は、発車と停車のタイミングで気を抜かないようにしましょう。

 

・タクシー

沢山走っています。学内でもよく見ます。料金は低額なので、日本の感覚よりかなり手軽に利用できるようです。しかし、料金の計算レートは複雑なようで、ラッシュアワーの追加料金だとか中心部への乗り入れ料金だとかが加算される場合もあるようです。それでも安いみたいですが。急いでいるときや、目的地にピンポイントで向かいたい場合は有効な移動手段と言えそうです。タクシーの手配にはSMSやアプリ(Grabなど)が使えるようです。便利ですね。

 

・車f:id:carpediem_onk:20161226025011j:plain

高いです。高すぎてシンガポール国民でも限られた人しか自動車を所有できません。何故か。気になったので、少し調べました。興味の無い方は読み飛ばして結構です。ちなみに、シンガポール国産車はないのでこの国で走っている車はすべて輸入車です。日本車は、トヨタ、ホンダ、マツダ、スバル、日産、三菱を、ドイツ車はベンツ、BMWをよく見かけます。他にもポルシェ、アウディヒュンダイ、KIA、オペルルノーなども見ました。タクシーは大体トヨタヒュンダイな気がします。アメリカ車はあまり見ないですね。シボレーがいたかな。

もちろんスーパーカーも時折見かけます。最近一番びっくりしたのはBMW i8です。スーパーカーではないかもしれませんが、いろいろ思い入れがあるので。

 

さて、シンガポールで新車を購入する際にかかる費用を見てみましょう。まず、自動車を購入する権利(新規車両登録権利書)COEを購入します。その金額なんと400万円以上。(月に2回の入札によって決定される。2016年12月2回目の落札価格は49,751SGD)そして車両本体価格OMV(輸送費や輸送時の保険料を含む)にもろもろの経費(輸入税、商品サービス税GST、登録料、追加登録料ARF)が上乗せされます。(追加登録料は車両価格の100%なので、これだけで値段が2倍に。)したがって、トヨタのアクアやプリウスでさえ実際に支払う金額は軽く、軽く1000万円を超えます。ベンツやBMWのハイグレード車をよく見かけますが、一体いくらかかっているのか目が回ります。シンガポールで車を持っている人がいたら、それがプリウスでもお金持ち認定していいと思います。ちなみにCOEは10年の有効期限があるので、そのスパンで車を買い替えなければいけません。おそらくこの10年縛りのせいで中古車もそれほど出回っていないと思われます。

なぜこんなに高くなってしまうのでしょうか。それは政府が渋滞緩和などの目的で国内の車両台数のコントロールをしているからです。このほかにもいろいろな取り組みをしているようで「シンガポールの交通政策」で調べるといろいろ出てきます。興味のある方はどうぞ。

 

バイ

 バイクにも自動車と似たような購入プロセスがあるようですが、車よりは安いとのこと。バイクを見かける割合は日本と比べると多い気がします。あまり詳しくはありませんが、カワサキのNinjaはこちらでも有名なようです。

 

・自転車

小さな国だからこそ、自転車のメリットを生かせると思うのですが現実は違うようです。推測ですが、MRTやバスが便利すぎて、生活の足としてわざわざ自転車を所有する必要がないと思われます。趣味としての自転車はそこそこ人気なようですが、ロードバイク乗りはシンガポール在住欧米人が多い気がします。近々、自転車についての意識調査をシンガポール人を対象におこなう予定なので、実態については後ほどお伝えできると思います。

 

・キックボード、セグウェイ

シンガポールに来て驚いたことの一つが、キックボードやセグウェイが一般的な移動手段になっていることでした。キックボードといっても、バッテリーとモーターを備え、緩い坂なら地面を蹴らずとも登れてしまうパワーがあります。立派なサスペンションとディスクブレーキを搭載したものもあるようで、意外とカッコいいです。ほしくはありませんが。セグウェイはキックボードよりは見かける頻度は少ないですが、見た目のインパクトはすごいです。キックボードより遅いですが未来感を醸し出しています。ほしくはありませんが。やっぱ自転車最高っしょ。

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彼らはすばしっこいので、なかなか写真に収められません。

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ということで、シンガポールの交通機関、移動手段についてまとめました。

実は、車の項を書いている最中にブラウザがクラッシュして2000字分くらいが消えました。MRTの項の途中から書き直しました。怒りの書き直しです。大体思い出せたと思います。よくやった自分。シンガポールのあれこれは、まだまだお伝えするつもりなのでこうご期待です。