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Carpe diem ~シンガポール留学記~

理系大学院生のシンガポール国立大学留学記。ときどきサイクリング。トビタテ!留学JAPAN第五期生

休学して過ごした一年の価値

シンガポール 学び 学生 成長 留学

留学の残り日数が少ないことを意識すればするほど、一日のふとした瞬間に休学して過ごした日々を振り返ることが多くなっています。結果から言えば、大学院生の身分を保留して自分の思うように過ごせたことは、今の自分にとっても、今後の自分にとっても非常にいい影響を与えた(与える)と思います。それは、楽しい留学経験だけからくるものではなく、もっと大観的なものを起源としている気がします。

 

 

https://www.instagram.com/p/BQfPyE-D3QL/

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僕の知る限り「大学を休学する」という選択肢は、あまり一般的では無いでしょう。何かしらの事情か目的がなければ、休学することはただ一年をのんびりすごすことを意味します。(僕はそれもアリだと思いますが。)

僕の場合はざっくりいうと、大学2年生ごろからの希望であった「留学する」という目的のために、2016年度の休学を決めました。大学院修士2年生になるタイミングでの休学はまさにラストチャンスともいえるものでした。念のため説明すると、大学で4年かけて「学士」の学位を取得し、その後大学院でもう2年学んでうまくいくと「修士」の学位を取得できます。さらに博士課程に進むことで「博士」の学位を授かります。僕にとっては、修士2年生が学生最後の1年になるということです。

 

ではなぜわざわざ「休学して」留学することにしたかというと、まぁこれはいろいろあるんですが、自分が思うように過ごしてみたかったというのが一番なのかなと思います。大学院では研究に明け暮れる日々で、本当に忙しかったのです。もちろん、そのような日々は有意義で、専門分野での新たな知見を蓄積することはとてもワクワクするものでした。しかしその反面、研究以外のことがあまりに疎かになっていたような気もしていました。(研究室に所属したことのある学生はよくわかるのではないでしょうか。笑)そういう中で、順当に学年を重ね、就活をし、卒業して、働き始める、というある種の見えないレールを進んでいくことに底知れぬ恐ろしさを感じたのです。これに似たような感情は大学入学当初にも感じていました。ブログの最初の記事に書いた通りです。

carpediem-onk.hatenablog.com

 

自分の専門と研究分野に精通していく一方で、まだ知らぬ外の世界の存在さえ感じることなく仕事に就くことに、「こんなんで働き始めちゃっていいの?」という思いでした。これは僕自身が感じたことなので、他の学生の皆さんに対して思っていることではありません。見えないレールが悪いとも思いません。多くの人が歩いた跡が道になり、轍ができ、その後レールが敷かれても何ら不思議ではありません。しかしながら、僕はちょっと寄り道がしたくなったのです。人見知りのくせに好奇心旺盛なものですから。

 

当初はフィリピン語学留学からのオーストラリアにワーキングホリデー、という最近ではパッケージ化された留学コースをたどろうとしていました。そこから教授に軌道修正をしていただき、シンガポールでの研究留学が実現しました。詳しくは過去の記事に書いた通りです。 

carpediem-onk.hatenablog.com

 

この留学について本腰を入れて考え始めたのが去年の1月くらいからでした。急ピッチで仕上げた感じではありましたが、トビタテ!にも書類を提出したと記憶しています。ちょうど1年前のこの頃は、先輩の修士論文、後輩の卒業論文の手伝いもしていたので目の回るような日々を過ごしていたことと思います。それから2016年4月を迎え、僕の休学生活が始まりました。なんだかんだ研究室に顔を出してはいましたが、久々にゆったりとした日々が続きました。もちろん、留学に向けた準備やトビタテ!の計画を練ることはおこなっていました。それでも基本的には、同期の友人に後ろめたさを感じるほど文化的な生活を送っていました。笑

 

確か5月の中頃にトビタテ!の二次審査があり、ひいひい言いながら準備したのを覚えています。審査には個人面接とグループディスカッションがあり、自分の留学計画についてプレゼンする時間も設けられていました。岐阜大学からは僕を含めて3人が二次審査を受けることになっていましたが、直前までそのことを知らずに1人で準備していたのでしんどかったですね。それでも一度集まってお互いの計画や発表について意見交換できたのは心強かったです。本番では、周りの学生にビビりながらも自分の計画について熱く語れたと思います。

 

その後、トビタテの採用通知を受け取ってすぐフィリピンに3週間の弾丸語学留学を敢行し、東京に舞い戻りトビタテの事前研修を受け、フィリピンで仲良くなった台湾フレンドに会いに台湾へ行き、シンガポールへの準備をして...とあっちこっちに忙しく楽しく動き回っていました。出発前からいろいろあったものの、10月末にシンガポール留学をはじめられたことは、周知のとおりです。まぁ留学始まってもいろいろあったわけですが...。笑

 

ほとんど振り返りのようになってしまいましたが、ご覧の通りこの1年で色々できたわけです。しかも、それらイベント一つ一つが物凄く濃密で示唆に富んだものでした。休学して好きなようにできたからこそなのかな、と勝手に思っています。こんなにワクワクした1年は初めてでした。前の記事にも書いた「自分の人生は自分でデザインする」ことができていたんだと思います。

 

この一年間の出来事として、留学したことだけを取り上げてその成果をお伝えするのはあまりにもったいない気がします。なぜなら、休学しておこなったすべての活動が僕にとてつもなく良い影響を与え、今後の自分への素晴らしい投資につながった、からです。トビタテではその多様性に驚き、刺激されました。フィリピンでは図らずも台湾人と仲良くなり、兄貴(台湾人)ができました。台湾の旅では人々の温かさに触れ、言葉を越えたコミュニケーションができました。シンガポールは言うに及ばずです。...などなど、もっと細かな点を挙げればキリがありません。一貫していえることは、全体を見通しすぎずに能動的に動いてトライした、ことでしょうか。

 

何事も計画は大事ですが、ある程度「遊び」があると、もっと面白いことが起きると思います。もしくは、自分が想定しきれないような新しいチャレンジをすることが、自分の新しい側面をみつけることを促すと思います。個人的には、見通せてしまうような人生ほど退屈なものはないと思うので、波乱万丈な日々が送れるような場所に身を置きたいと思っています。現実はどうかわかりませんが、できる限りのことはするつもりです。

 

「休学こそ真の人生を見つける手段だ!」などと、奨励するつもりは毛頭ありませんが、僕のケースでは「やりたかったこと」と「実際にできたこと」がぴったりハマりました。特殊なケースかもしれませんが、大学や大学院での暮らしを考えるにあたって「休学」の選択肢があたまの片隅にあると、もしかしたらよりよい人生の道が拓けるかもしれませんね。