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Carpe diem ~シンガポール留学記~

理系大学院生のシンガポール国立大学留学記。ときどきサイクリング。トビタテ!留学JAPAN第五期生

NUSバナナチャレンジ その2 ~正正正正正~

シンガポール シンガポール国立大学 学び 成長 生活 留学 自転車

前回はもったいぶってしまい、ごめんなさい。NUSバナナチャレンジ始まります。

 

【おさらい】NUSバナナチャレンジ

「バナナ1房(5本)のエネルギーでNUSの周回コースを自転車で何周できるか」

バナナ5本で535kcal、朝食の飲み物で125kcal、合わせて660kcalでNUS内を周回します

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軽量化のためツールボックス、携帯ポンプを自転車から取り外しました。GoProも無しです。バナナ、水の入ったボトルとスマホのみをもって臨みます。また、周回数は覚えていられないので、フレーム(トップチューブ)にテープを貼り、そこに正の字を書いてカウントします。

 

 

午前11時、ちょっとのんびりしすぎたかなと思いつつスタート!

レースレポート風に綴ります

1周目:いきなりだらだら坂が始まるので負荷をかけすぎないように慎重に登っていく。体は良く動いているがすでに空腹気味。大丈夫かなあと早々に不安になる。

 

2~4周目:だらだら坂は問題ないものの、階段坂はやはりきつい。意地を張らずにインナーロー(もっとも軽いギヤの組み合わせ)でゆっくりとのぼる。それぞれの下りは、セーフティーながらスピードにのって気持ちよく走れている。

 

5周目:そろそろ20kmかなあ、とぼんやり考えながら一本目のバナナ補給。補給は自転車に乗りながらおこなう。こんな具合、15秒~からのシーン。バナナじゃないけど。

youtu.be

5周目のだらだら坂を越え、後ろポケットからバナナを取り出し皮をむく。やっと補給できると口に運ぼうとしたタイミングで下りが始まった。急いで後ろポケットに戻す。下りの後はゆるやかな登りが続くため、補給できなくもないが、無理をしても消耗するだけなので諦める。

 

「あれ、補給するタイミングなくね?」

 

と今更気付く。

幸い、階段坂の後の道は比較的余裕があったのでそこで補給をおこなうことができた。自転車の上で食べるバナナはおいしい。

 

6~7周目:補給のおかげで少し回復し、順調に走れている。7周目が終わったところでトイレストップ。(プロ選手は時にトイレさえも自転車の上で済ませてしまうが、様々な理由によってまねできるはずがない。)ついでにここまでの走行記録を確認。

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登りもこなしながらの平均時速21kmは大体予想通りだったので、今のところは順調と言えそうだ。しかしながら空腹感を感じたのでここで2本目のバナナ補給。目標の3割にも届いていないのにもかかわらず、手持ちの半分を食べてしまった。

 

ちょっと待ってほしい、この時点で642kcalを消費しているではないか。残りの2本を今すぐ食べてやっと補える量だ。

 

そう、賢明な方は初めからお気付きかもしれないが、このNUSバナナチャレンジ、そもそも設定に無理があるのだ。どうやっても消費エネルギーが摂取エネルギーを上回るチャレンジなのである。消費しきったあとは、気合と根性のジャパニーズスピリットで頑張るのみである。

 

8~10周目:多少の疲れはあるもののまだまだ脚は元気だ。バスや、道に迷ってふらふら走る車にはイライラするが、仕方ないので無理に追い越したりはしない。

 

11~13周目:10周を越えて明らかに疲労してきているのが分かる。空腹感も増している。登坂開始でのパワー不足を感じた。ダンシング(立ち漕ぎ)を効果的に使って登りを乗り切っていく。急に脚が回らなくなるのを恐れて13周目で3本目のバナナ補給。空腹は最高の調味料とはよくいったものだが、おいしいの次元を超えて、身体が生命維持のためにエネルギーを欲しているのを感じた。しかしながら、このチャレンジはまだまだ終わらない。

 

14周目:この周回が終わったところで2度目のトイレストップ。自転車から降りると脚がかなり疲労しているのがわかった。ここまでの走行記録もチェックする。

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60kmを越えても平均時速21kmを維持できている。消費カロリーは1274kcalで、摂取予定のほぼ2倍のカロリーをすでに消費している。このままだと僕は骨と皮だけになってしまうかもしれない。ちょっと不安になりながらコースに戻る。

 

 15周目:登りを越えるたびに強烈な空腹感に襲われる。水を飲んでもごまかせない。これまでの周回ではいろいろなことを考えて走っていたが、この時点で「きつい」「あつい」「はらへった」といった低次な思考が僕を支配していた。もちろん、周囲の状況や通行には細心の注意を払っているが、その他の思考はなおざりだ。

 

16~19周目:コースの特徴を完全に把握した。どの走行ラインを走り、どのギヤを選択するかの意思決定がほぼ自動的にできるようになっていた。そして、頭の中で考えていることは、「最後のバナナをいつ食べるか」ということだった。できるものなら今すぐにでも食べたいところだが、目標の25周するためにはタイミングを考えねばならない。そこで、「登りを終えた後に一口だけ食べる作戦」を思いついた。一番パワーを使った直後に少しずつ補給することで、少しでも航続距離を伸ばそうというものである。これが結構効果的だった。が、疲労した身体が劇的な回復を見せるわけではない。つらいものはつらい。

 

20周目:終わりが見えてくると元気になると思っていたが、この時にはほぼゾンビサイクリストと化していた。登りでは蛇行しないように制御することだけを意識し、下りは惰性に身を任せ、スーパーパワーセーブモードで走っていた。ここで3度目のトイレストップ。走行記録を確認する。

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90kmを目前にして平均時速20.7km。ゾンビでも脚は回っているらしい。消費カロリーは1806kcalで基礎代謝量(1558kcal)を上回った。燃焼されているのが脂肪のみだと信じて、ラスト5周に臨む。

 

21~24周目:もはや残り距離を気にする余裕もなくただ路面を見つめ、ペダルを漕ぐだけだった。脚を回せばいつかゴールできる、それを考えれば幾分気が楽になった。ウビン島に行った時の雨でサイクルコンピュータが故障し、走行速度がわからなかったのが逆に良かったかもしれない。もし速度を見ていたら、あまりの低速に愕然として精神的に参っていただろう。そういえば24周目の階段坂で、電動キックボードに乗った男に煽られて軽々と抜かれたのには行き場のない怒りを覚えた。ついていけないのがただ悔しかった。

 

25周目:このラスト周回に入る手前、白髪交じりのおじいちゃんにクロスバイクで軽く抜かされた。さすがにおじいちゃんには負けてられないので、だらだら坂で意地と気合のダンシング。圧倒的速度差を保ち抜き返す。そのまま後ろを振り返らずペースをあげ、最後の周回をこなしていく。最終周回という感慨深さもなく、ただゴールにむかって走っていた。長い長い戦いが終わろうとしていた。

 

そして、

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5個目の正の字が完成した。やりきった。圧倒的エネルギー不足のこの戦いを制したのだ。おそらくこの瞬間に僕は、シンガポール国立大学の構内を、バナナだけを食べてロードバイクで25周した初めての日本人になったのだ。大変に名誉なことである。

 

戦いの記録を見てみよう。

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走行距離:110.3km

走行時間:5時間28分47秒

平均時速:20.1km/h

消費カロリー:2222kcal

累積標高:1984m

という記録となった。消費カロリーは驚きの2000kcal越え。しかも、この値はスマホアプリが機械的に算出した値なので実際はもっと消費している可能性もある。また、注目してほしいのが累積標高だ。(登った高さを積算したもの。) だらだら坂や階段坂を含めた登りで登った高さを全て積算して1984m。これは、富士山の2号目(標高1710m)から山頂(標高3776m)までの標高差(2066m)に匹敵する。シンガポールの街中でこんな山岳トレーニングができるとは思ってもみなかった。おそるべしNUS。

 

こうして、圧倒的エネルギー不足に陥りながらも何とか目標を達成することができた。バナナは非常に効率の良い補給食になりえるが、エネルギーのすべてをそれだけに頼るのは危険な選択であることがわかった。また、NUSの周回路は自転車トレーニングをおこなう上で理想的と言ってもよいもので、多くのローディーが夜な夜な周回しているのも合点がいった。

 

以上がNUSバナナチャレンジの模様でした。

終わった後、重い脚を引きずって部屋に戻り、シャワーを浴びて小一時間死んだように寝ました。(笑)

 

そして、待望の晩御飯はインドネシア料理を選びました。黒くてよくわかりませんがチキンレッグと焼き魚です。ご飯にはカレー風のソースがかかっています。僕の平均的な夕食費は3~4SGDですが、奮発して7SGD=560円のセットです。文字どおりむさぼるようにいただきました。

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これだけ食べてもなお、身体がエネルギーを欲している気がしたので、追加でチョコレートプラタをいただきました。こちらは2SGD=160円

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以前ご紹介したインド料理プラタにチョコを加えたデザート?です。割ったらチョコがいい感じになるかと思いましたが、何も起こりませんでした。残念です。生地がパリパリで、チョコパイのようなイメージですかね。

 

晩御飯に9SGDも使ってしまって、ちょっと別のところで節約しないといけないなあと、思いつつ食堂からの帰り道で、

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買って帰りました。

 

NUSバナナチャレンジおしまい。