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Carpe diem ~シンガポール留学記~

理系大学院生のシンガポール国立大学留学記。ときどきサイクリング。トビタテ!留学JAPAN第五期生

研究本格始動

 いよいよ研究が本格化してきています。朝がとても早く、少々疲弊しております。

早起きは非常に苦手なのですが、そんなこと言ってられないので何とか頑張ってます。

今回は自転車無しです。ちょっとだけまじめに書きます。 

 

 

 僕の研究分野を記します。岐阜大学大学院において、僕は工学部の機械系学科に属し、複合材料(二つ以上の素材を組み合わせた材料)の成形方法について研究をしています。数ある複合材料の中でも、繊維強化プラスチックという材料を扱っています。特に炭素繊維強化プラスチック(CFRP)は自動車、自転車や航空機の構造部材への適用がすすめられていて、金属に替わる材料として注目されています。....まぁ、この辺りは理解しなくてもいいんですが、とにかくそういうものを作って、壊して、強さをはかって評価する、という研究を日本でおこなっていました。来年度は日本に戻り、大学院2年生として復学し、研究再開です。

 

 ここ、シンガポール国立大学でも材料の研究をすすめます。研究の具体的な内容は、「PLA樹脂とスターチを混合した素材にフィラーとしてゴムを添加し、その物性を評価する」というものです。さっぱりですね。ええ。

PLAとはポリ乳酸(Poly Lactic Acid)のことで、PLA樹脂は簡単に言うと植物(からとれるデンプン)由来のプラスチックです。スターチは、そのままデンプンですね。コーンスターチのスターチです。

 

 研究の背景を簡単に説明します。一般にプラスチック素材は石油から抽出した原料からつくられることが多く、仮に自然環境にそのまま廃棄された場合は、分解することなくそのまま残ります。だからリサイクルは大事なのです。

  しかしながら、PLAのような植物由来のプラスチックは生分解性プラスチックと呼ばれ、微生物によって水や二酸化炭素などに完全に分解されます。つまりは環境にやさしいということです。使用用途は、食品トレーや生理用品などの日用品をはじめ、自動車のボディパーツ、農業用シート、BB弾、手術で用いる縫合糸など多岐にわたります。

利点はなんといっても環境負荷の低さです。ポイ捨てされてもいつか分解されます。欠点は主に製造コスト、および通常のプラスチックと比較して耐久性が劣ること等が挙げられます。

 これを克服し、持続可能なプラスチック材料を作りましょう。というのが僕が取り組もうとしている研究のコンセプトです。近年では盛んな研究により、機能性に優れた生分解性プラスチックが生み出されているとも聞きました。そのなかでもPLAはもっとも有望な材料であるといわれています。

 しかし、PLA単体では我々の実生活で使用できる(つまりは製品化できる)性能を持っていません。そこで様々な物質を添加することで、材料に所望の性能を付与します。問題は、添加する材料、混合比率、成形法の組み合わせが無限に存在することです。何をどれだけ混ぜて、どんなふうに作ったら、夢のプラスチックができるのか、詳しく調べていく必要があります。これまでの研究成果と照らし合わせながら、日進月歩で新しい組み合わせが試されている状況です。僕もそこに参画する、ということです。

 

 時間があまりないので、どんどん成形や実験をおこなっていくと思います。なかなかハードになりそうですが、初めて見聞きすることも多くあり、ワクワクしています。複合材料(Composite)のケミカルな側面に触れることができ、新たな知見を得るのが楽しいです。ちなみにNUSでできない成形や試験は、SIMTech (Singapore Institute of Manufacturing Technology) という研究施設でおこないます。出張的な感じですね。

 

ブログは週末にまとめて書くようになる気がします。のんびりですが、続けていくつもりなのでよろしくお願いします。